初夏の時期に使う時候の挨拶の一つとして「麦秋の候」があります。
「ばくしゅう」と読みますが、漢字だけ見ると
「秋」が入っているので、秋に使う時候の挨拶のように勘違いしがちですが、
実は違います。
この機会に意味を理解しておきましょう。
今回の記事を読めば、なるほどとなるはずです。
ということで、今回は麦秋の候について、使う時期や意味を
具体的な文例とともにご紹介します。
目次_Contents
季語の「麦秋」とは?
使う時期を理解するためには、「麦秋」の意味が解らないといけません。「収穫の秋」って言葉聞いたことありますよね?
秋は、日本人の主食「米」をはじめ、様々なものが収穫されます。
実りの秋とも言いますよね。
一般的に「収穫」=「秋」なんですね。
麦はというと、収穫期は初夏です。
秋ではないんですが・・
麦にとっての収穫の秋であるという意味で、「麦秋」というんですね。
麦秋の時期は「二十四節気のうち「小満」の末候」と決まっています。
二十四節気は、太陰太陽暦で季節を表す言葉で、詳しくは以下記事をご覧ください。
二十四節気とは?日付と読み方をカレンダー順に説明
2018年でいうと「小満」は5月21日、その次の「芒種」が6月6日ですから、
その間、5月21日~6月5日、末候ですから、主に6月頭に使う季語だということになります。
具体的な書き方(文例)
文例をご紹介しますが、基本的な構成が決まっていますので、
まずは基本形をどうぞ。
【1】拝啓
⇒頭語(決まり文句です)
【2】麦秋の候 梅雨空が続く季節ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
⇒時候の挨拶+書き出し
【3】(本文・用件)
【4】梅雨寒の時節柄、風邪などお召しにならぬよう、お気を付けください
⇒結びの言葉
【5】敬具
⇒結語
【6】平成30年5月4日
【7】手紙太郎
【8】宛先次郎様
本文・用件については、メインの内容となります。
今回、手紙を書こうと思った気持ちを思い出しながら、筆を進めてください。
頭語と結語は決まり文句のため、そのまま使えばよいと思います。
親しい友人に出す手紙には、必ずしも基本形というわけではありませんが、
手紙を書く上での基礎知識として覚えておいてください。
書き出しと結びの言葉
書き出しと結びの言葉は、けっこう筆が進まない部分だと思うので、具体的な文例をあげておきます。
1)書き出しの例
・雨の続く梅雨空の季節ですが
・長雨にあじさいの花が日ごと美しく色づき
・梅雨の晴れ間の青空に、夏めいた色を感じる頃となりました
2.結びの言葉
・雨の続くうっとうしい日々ですが、気持ちは健やかに過ごしましょう
・梅雨寒の時節柄、風邪などひかぬよう健康にお気をつけください。
文例がちょっと固いなあと感じたら、
手紙を送る相手にあわせて、くだけても構いません。
例えば、相手の趣味に合わせて文面を考えるとか。
「梅雨明けに、外で思い切りスポーツが出来るのが楽しみですね。」
といった具合です。
手紙で大事なのは、受け取る相手がどう感じるかです。
受け取った相手が思わずくすっとなるような内容を最後に書いても良いですね。
さいごに
今回は「麦秋の候」について、手紙で使う場合の時期や文例をご紹介しました。
時候の挨拶の中でも、使う時期を勘違いしがちなものに
なっていますので、そこだけはご注意を。
憂鬱な雨が続く中、夏が待ち遠しい季節でもあります。
梅雨明けの晴々した季節が楽しみになるような
そんな手紙を書ければよいですね。
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